広島【安芸国分寺】大晦日、お寺の宿坊に泊まってみた!

広島【安芸国分寺】大晦日、お寺の宿坊に泊まってみた!

こんにちは!
アラサー女子のコペルです。
今年の年末年始は思うところあり、夫婦揃ってお寺の宿坊にて新年を迎えることにしました。
お寺によっては、本来は僧侶が宿泊する「宿坊」と呼ばれる施設に一般人を受け入れて、修行の体験ができるところもあるんです。
今回は広島県東広島市の「安芸国分寺」にお邪魔しました。

なぜお寺に泊まって新年を迎えようと思ったのか

新しい体験は創造性の源

私は新しい体験が良かれ悪かれすごく好きなんです。
別の言い方をすると飽きっぽい、笑。
飲食店のメニューもお気に入りの同じものを食べ続けるより、断然興味をそそる新しいものを選ぶ方です。
お正月休みの流れにも飽きてきたかもしれません。
(これから先のお正月、どうしましょう…)
普段の生活・年末年始ではありえない場所で新鮮な体験をしたいと考えました。

自分と向き合う時間を作る

2019年、私にとってはけっこうしんどい年でした。
がむしゃらに目の前のことに対処してあっという間に時間が無くなる感覚に流されていました。
年初に立てた目標の達成度は30%くらいで着地したと思います。
このままではいけない、来年は絶対良い年にしよう、と沸々と焦りのようなものを抱えていました。
なので2019年の年末年始休暇はしっかりと休んで自分を見つめ直す時間を作りたかったんです。
テレビや豪華なご馳走、家族との時間もいいけれど、たまにはこんな年末年始もいいですよね。

宿泊させていただいた安芸国分寺について

この度、宿泊させていただいたお寺は広島県東広島市JR西条駅から徒歩10分の「安芸国分寺」です。
奈良時代に聖武天皇の命により造られた由緒あるお寺で、御本尊には健康を司る薬師如来様が安置されています。
緑が豊かな庭園や歴史を感じさせる御堂から凛とした気持ちの良い空気を感じました。
お寺の隣には安芸国分寺歴史公園がありお寺の史跡を見学することができます。
綺麗な公園なのでお散歩やピクニックにも良いなと思いました♪

安芸国分寺
広島県東広島市西条町吉行2064
公式サイト:http://www.aki-kokubunji.com/

私はこちらのサイトから検索をして予約しました。
テラハク:https://terahaku.jp/temple/akikokubunji/
日本全国の泊まれるお寺が掲載されております。
予約申し込み後にサイトの管理者とチャットでやりとりをして詳細を確認するシステムでしたが、迅速な対応で使いやすかったです◎

安芸国分寺を選んだのは
・修行体験のメニューが充実していたこと
・精進料理をいただけること
・他のお寺と比べても写真など情報が多く雰囲気が良さそうだったこと
が決め手となりました。

年末年始のお忙しい時期にもかかわらず私達夫婦を受け入れてくださったことに感謝です m(_ _)m

2019年大晦日、お寺泊1日目

広島市内からJR山陽本線で約30分、西条駅で下車しました。(運賃:片道590円)
西条駅の北口から東へ向かいました。
民家へと続く細い道を歩きながら、自分が年末に縁もゆかりも無い広島の地にいる事実に不思議な感覚を覚えました。
この年末年始の旅を計画していなかったら一生行くことは無かったと思います。
と同時に、ついに来てしまった!と足を進める度に実感が湧いてくるのでした。

安芸国分寺

安芸国分寺に到着しました!

安芸国分寺
立派な門と御堂が現れました。
きっとここが安芸国分寺ですね。
立派なお寺だねと、旦那と一息ついて門をくぐりました。
この大きな山門には2体の仁王像が左右に安置されています。
大きくて迫力がありしばらく見入ってしまいました。

安芸国分寺
チェックインを済ませ、住職夫妻とご挨拶をさせていただきました。
朗らかなお人柄に安心しました。

この日は大晦日で1年の中でも忙しい日だったため通常の宿泊スケジュールとは異なる流れでご対応していただきました。
お寺には12時頃から参拝者が徐々に集まります。
安芸国分寺では大晦日、参拝者へのお接待として300人分のお料理のご用意するそうです。
そ、そりゃ大変だ〜!
初めての大晦日〜元旦の宿泊客受け入れだったそうで、よりによって物好きな私達が慌ただしい日に宿泊のお願いをしてしまい恐縮でした。

安芸国分寺歴史公園・岩清水八幡宮・酒蔵通りを散策

夕食までの間、時間があったので近所を散策しました。
安芸国分寺のすぐお隣には「安芸国分寺歴史公園」という綺麗に整備された公園があります。
以前は史跡の発掘調査が行われていたようで、公園のいたところに僧侶の生活を感じ取れるような史跡が点在していました。
講堂跡の復元された高床式の史跡に腰を降ろしました。
ここで聖徳太子の時代から僧侶が修行に励んでいたと想像すると歴史の壮大な時間感覚に畏敬の念を抱かずにはいられません。
「この集落は昔から人が住んでいたんだろうね、今はビルやマンションも建ってるけど、きっとここから見える山の景色は昔とそう変わらないんじゃない?」
たしかそんな会話を旦那としたと思います。

近所に「岩清水八幡宮」という神社があったので寄ってみました。
夕暮れ時でどこかミステリアスな雰囲気だったのですが、今Google検索をしてみても由緒など不明な情報が多くやっぱりミステリアスな神社でした。
神社の両脇に生えている御神木は大変大きく感動しました。
岩清水八幡宮

その足で、yumetownまで買い出しに行きました。
西条駅の南側には酒蔵がたくさんありました。
年末ということもありどこも閉まっていましたが、お洒落な飲食店やお土産屋さんも通りに何軒かあり、いつもは酒処の観光地として賑わってるのではないでしょうか。
水がこの辺は綺麗なんでしょうね。

大晦日特別メニュー、精進年越し蕎麦

年越し蕎麦
▲この後お出しを入れていただきました
通常の宿泊では夕食の提供は無いそうですが、大晦日ということで、住職夫妻のご厚意により年越し蕎麦をご提供していただきました。
それも昆布と椎茸で出汁を取った精進料理の年越し蕎麦です。
蕎麦粉100%の十割蕎麦に爽やかな柚子が添えられていて、とても美味しゅうございました。
お接待の準備でご多忙の中年越し蕎麦までご用意していただいて、そのホスピタリティに私は感激しました。
女将さんありがとうございました♡

フリータイム到来!強烈な眠気

お風呂をいただいて新年を迎えるまでこの時点で19時過ぎでした。
普段の大晦日だったら紅白やガキの使いをテレビで見て団欒のひと時を過ごしている頃です。
しかし今回は、テレビもBGMも無い独房で新年の目標を立てたり、積読本を読んだり、有意義な時間を過ごす予定でした。
布団を敷いてごろんと寝転んだら強烈な眠気がやってきました><
お部屋もほかほかして気持ち良かったですし、空気も澄んでいて旅の疲れもあったのかもしれません。
なんと4時間ほど爆睡!笑
夢とかも全く思い出せないくらい深い眠りでした。
魂の世界に里帰りしていたようですね。

除夜の鐘で煩悩を清める

除夜の鐘
大晦日の23時半を過ぎると徐々に安芸国分寺に参拝客が集まりにぎやかになってきました。
皆、薬師如来様に参拝をして、除夜の鐘を突いて一年の煩悩を清めます。
整理券が配られ、私の番号は「42」でした。

あなたの祈りはきちんと届けられ、天使がそれに応えていることを信じてください
エンジェルナンバー

除夜の鐘を突くなんて私は初めての体験でした。
実際に除夜の鐘をついてみるとなんだかスッキリするものです。
面白いと思ったのは人によって除夜の鐘の音が違うことです。
澄んだ綺麗な音や力強い音、優しく響く音など、その人の波動が音になっているようでした。


鐘をついて焚き火の前で一息ついているときに新年を迎えました。
今年はなんと厳かに新年を迎えさせていただいているんだろう(*´-`)
自然と感謝の念が湧いてきます。

2020年元旦、お寺泊2日目

粕汁
お接待の温かいだご汁と粕汁をいただきました。
息が白くなるほど寒かったので暖かさが染み渡りました。
粕汁はお家でも作ってみようかな。

夜のお勤め

安芸国分寺では毎日、朝のお勤めと夜のお勤めを本堂でされているそうです。
通常は18時くらいから夜のお勤めをされているそうですが、大晦日は深夜から行われました。
お勤め(勤行)とは、仏前や御本尊の前でお経を読んだり礼拝をすることです。
本堂ではすでに住職が夜のお勤めをされていたので私も参加させていただきました。

お坊さんのお経をLiveで聞くということが普段の生活ではまずありません。
しかも大晦日にお勤めに参加するのも初めてです。
大変貴重な経験をさせていただていると実感しました。

お経を聞いていると、心が落ち着いてきて感性が研ぎ澄まされていくのを感じました。
正座をして真っ直ぐ座っているはずなのに、身体がゆらゆら揺らめく感覚がしました。
お経のバイブレーション効果なのでしょうか。
ずっと続くお経の中で2020年をどう生きるかをずっと考えていました。
煩悩MAXで祈りました、笑。
やばい!今年は絶対に良い年になる気しかしない!そんな全能感モードにも突入することができました。
お勤めを終えた後は目に力が宿って、とても力がみなぎっている感じがしました。

この日は宿坊に戻り就寝。
夕食後あんなに寝たのに、またまたぐっすり熟睡できました。
不眠症の人はお寺の宿坊に泊まってみるといいですよ(適当)。

精進お節で迎える2020年

安芸国分寺
朝7時くらいに目覚めました。
宿坊からはちょうど朝日が綺麗に見え素晴らしい新年の幕開けになりました。
身支度を済ませ、朝食会場へ向かいます。
お正月ということで、精進お節料理をご用意していただきました。


昆布と椎茸で出汁を取っていただいたお雑煮
縁起物の黒豆と紅白なます、栗きんとん、レモンのおつけ物、広島県産のみかん

どれも上品なお味で素材の香り旨みを丁寧に味わいました。
本当に幸せなひと時を過ごさせてもらってると、ひしひし感じました。

お節を頂きながら旦那とこんな会話をしました。
「言うたら全くご縁も無い人様のお正月にお邪魔してるようなものよね」
「そうね、親戚の家でも友人でもない家の正月に上がり込んでる感覚やね、笑」

ビジネスホテルや旅館・民宿・ゲストハウスでもないアットホームな安芸国分寺で、お寺の生活の一部に自分たちがジョインしているーーー
そんな表現が近いと思います。

ワンネスを感じた座禅修行

座禅
朝食後、本堂で住職と一緒に座禅修行をさせていただきました。
最初にゆず香というお香をひと摘みくらいいただき身体を清めました。
そのゆず香の香り、柑橘と漢方が合わさったようなうっとりする良い香りで私はずっとスーハースーハーしていました(*´Д`*)

座禅の前に御本尊様に向かって最上級の礼拝をしました。
起立して手を合わせて、ひざまづき、両手を表向きに床へついて深々と頭を下げます。
これを三度繰り返します。
今この時をこの場所にいることに全力で感謝しました。

そして住職の誘導に沿って座禅に入ります。
呼吸に集中して自分の中の不安や雑念を吐き出してパワフルな精気を取り込むイメージをします。
私はどうせならゴールドの精気を取り込もうとイメージしておりましたが、自然とエメラルドグリーン色の精気に落ち着きました(笑)
どれくらいの時間繰り返したか不明ですがこの時点で心がかなり澄んだ状態で思考がクリアになっている心地よさを感じていました。
私は普段も時々瞑想をしていますが、短い時間しか続かないですしここまでの明晰性は中々得られない感覚でした。

住職「それでは本当の瞑想に入ってください」

深呼吸を通常の呼吸に整え、ただただ目を閉じました。
すると私の中で味わったことの無い感覚に陥りました。
自分が御堂の建物や座っている座布団と一体化している、この辺りの大地や自然全てとつながっているような感覚です。
個として自分と自分以外のものが存在しているのではなく、完全に周囲に溶け込んでいました。
小鳥のさえずり、子供の笑い声、床や空気の温度、御堂の木の香りお香の香り、外の焚き火の香りが真っ暗な世界の中で煌めいていました。
もし私が樹木として生まれていたならば、きっとこんな気持ちで生きているのかもしれないと思いました。
これは体験しないとやっぱりわからないと思いますし、言語化するのは難しいです。

それから段々と意識が普段の感覚に戻ってきました。
今ならハイヤーセルフからの声が聞けると思って耳を傾けました。
時間感覚を研ぎ澄ましてとにかくやりたいことがあればすぐに行動すること、がハイヤーセルフから感じたメッセージでした。
それから今年の目標を映画のスクリーンを見るようにビジュアルでイメージしました。

瞑想を終えたとき、なんだか新しくなったクリアな自分になっていました。
旦那は瞑想中に、この場に自分以外誰もいないような感覚になったと言っていました。

個人差はもちろんあると思いますが、普段の生活圏から少し足を伸ばして整った環境で座禅・瞑想をすると何かしら得られるものがあると思います。
私にとっては一生忘れられない体験になりました。
本当に行動してみるものです。

住職の刺さる法話

瞑想後に住職が私達のために法話をお話してくださいました。
職業とはいえ、人前でスピーチをするのって大変に頭とエネルギーを使います。
合掌して有り難くお聞きしました。
今振り返ってみても不思議と私にクリティカルヒットするお話をしていただけました。

こだわりを捨てて笑い飛ばす

元気な人を観察していると何事も深刻に受け取らず笑い飛ばしておられる、住職の鋭い観察眼のお話をいただきました。
そうなんですよね、私達って本当につまらないプライドや見栄、こだわりに知らず知らずのうちに支配されてると思います。
こうじゃないといけないとか、自分の思うように事が進まないと苛立ったり。
いつもご機嫌な人は、不運やアクシデントも笑い飛ばして柔軟に対応していますね。
昨年の私にはかけていた要素だと思いました。

自分本位に受け取りすぎない

何かトラブルが起こったとき、自分中心でものごとを捉えると周りが悪い、環境が悪いとなってしまいます。
そういう思考ってすごく楽です。
それが表面化すると喧嘩や争いごとが絶えなくなりますね。
でも、瞑想で感じたような周囲との一体感からの視点で物事に対処していけば自分も周りもHAPPYになるはずです。
私が悪かったわ、と相手より先に言える自分に器の広さみたいなものを私も身につけたいですね。
Twitterの見過ぎかいな、私は最近、少し利己的に偏っていたと思います。

自分の闇を射る破魔矢をget!


私はいつもあまりお守り買わない方ですが、珍しく弓矢のお守りを購入しました。
その名も「破魔矢」。
自分の心がだらしなくなっているとき、挫けそうなとき、この年末年始の素晴らしい体験を思い出して、元気に乗り切ろうと思います。
我が家のダイニングテーブルに立てかけています。

まとめ

大晦日にお寺に泊まろう!そんなトリッキーな発想に快くOKしてくれた旦那、私の家族、受け入れてくれた安芸国分寺の皆様に心より感謝申し上げます。
全てが重なって貴重な素晴らしい時間をいただくことができました。
仏教から学べることが私にはまだまだあると思いましたし、座禅・瞑想もさらに実践して研究していきたいです。
今年はそういう本を読み漁ってみようと思います。

そして旅はやはり自分をアップデートさせてくれます。
「百聞は一見にしかず」という言葉のように、足を使って得た体験はインパクト大です。
仏教に興味があるとか、自分を見つめ直したいという方は、素晴らしい環境が安芸国分寺にありますので是非行ってみてくださいね。

最後に、今後とも細々とポンコツなアラサー女子が思ったことをつらつら書いて参りますので宜しくお願い致します。
あなたにとって2020年最高の年になりますように!